【コラム】IT技術の進歩は何のため?IT技術の進歩がもたらす未来

【コラム】IT技術の進歩は何のため?IT技術の進歩がもたらす未来

先日、ITリテラシーに関する記事を書いた。その中で改めて認識せざるを得なかったのが、

日本の経営者、マネジメント層は、経営をIT投資で変換するエクスペリエンス(体験)が圧倒に足りていない

という点だった。

今回は、IT技術はなぜ進歩するのか?IT技術の進歩により何がもたらされるのか?についてお伝えする。

IT技術は、なぜ進歩するのか?

そもそもIT技術は、人間では一生かかっても計算できないような計算処理や情報処理を効率化するために生まれた。第二次世界大戦では、敵の暗号解読やCIC(戦闘指揮所)に情報を伝達するレーダーや通信技術として進化し、現代社会では主に以下の様な理由でIT技術が進歩している。

  • 情報処理の高速化
  • 新しい産業分野の開拓(イノベーション)
  • サイバーセキュリティ対策

IT技術は、日々進歩のスピードが上がっている

今研究されているIT技術は、量子レベルの技術が実用域での研究として既に視野に入っている。さらに、IoT(インターネットとデバイスの融合)やAI(人工知能)、VR(仮想現実)といった最新の技術がすそ野を広げて実用化されており、すそ野が広がれば広がるほど、他分野との連携要素も増え、結果的にIT技術の進歩は日々加速する状態となっている。

特に、21世紀に入ってから、

  • ハードウェアの計算能力(CPU、メモリ)
  • ストレージ(HDD、SSD)領域の飛躍的増大と読み書き(I/O)の高速化
  • OSの処理速度の高速化
  • インターネットの高速化(4G、5G)

といった、情報通信技術を支えるハードウェアとソフトウェア、インフラが大幅に改善されたことにより、技術の進化はさらに加速していくものと予想される。

IT技術の進歩にうまく乗るとどうなるか?

技術の進化にうまく乗っかってビジネスを行うと、以下の様なメリットがある。

  • 業務の単純化、人的コスト(労働時間)の削減
  • 人件費あたりの生産性の向上
  • 新しいビジネススタイルの確立(リモートワーク、WebやIoTによる集客、クラウド化)
  • セキュリティ対策の強化

IT技術の進歩に乗り遅れるとどうなるのか?

このような、進歩が著しいIT技術だが、IT投資を怠り技術の進歩から取り残されると、どのようなデメリットを被るのだろうか?

  1. 競合他社と比べて、自社の情報処理速度の大幅な遅滞化
  2. セキュリティリスクの飛躍的増加
  3. IT投資の必要を余儀なくされた場合における、無駄なコストの増加

ITリテラシーに関する記事では、1、2について簡単に説明したが、一番大きなデメリットは実は3だ。

技術の進歩が著しい以上、IT投資をおろそかにしていると、いざ投資が必要になった場合、IT技術導入について階段のN段抜かしが発生する。

1段抜かしならまだしも、2段、3段ともなれば、その分想定していないコストが発生する。

特に、ハードウェアとOSに関しては日々進化しており、古いOSを利用し続けていると、いざというときに乗り換えにコストが大きくなる。

大抵の場合、ハードウェアが対応できないケースが多いし、メーカーが古いハードウェアのドライバ(OSとハードウェアをつなぐ仕組み)を提供していないからだ。

よくあるあるなのが、

  • OSを最新に乗り換えたら、古いハードウェアが使えなくなった
  • OSを最新に乗り換えたら、利用しているソフトウェアで不具合が多発した
  • OSを最新に乗り換えたら、クラッシュが多くなった

というものだ。日頃から情報のキャッチアップと検証をしていれば防げる問題なので、これもまた適切なIT投資を怠っていたのが大きな要因である。

彼らは結果として、

  • OSのライセンス債購入
  • ハードウェアの買い替え
  • 利用しているソフトウェアの乗り換え
  • 保存されているデータのバックアップとリストア

といった代償を払うことになる。

特にWindows10の導入に対しては、使用している企業の多くが、未だメリット・デメリットを正しく認識していない。

この点については、引き続き啓蒙活動を続けていこうと思う。

IT技術の進歩に「適切」に乗るのが一番メリットが大きい

IT技術への投資は、不確実の高い投資要素(≒投資対効果が見えないもの)が未だ数多く存在する。

だが、その不確実性を恐れて投資をしないと、先述の様に時間が経つにつれデメリットが大きくなる。

特に、最新のOSに関しては、ハードウェアとの親和性の問題もあり、簡単に導入できない心理は理解できる。

しかし、OSやハードウェア、ハードウェアのドライバにも陳腐化までの間のライフサイクルが存在する。

なぜライフサイクルがあるかと言えば、

  • セキュリティ対策の最新化(Windows Update等)
  • 処理の高速化
  • 不具合の修正

といったベンダー側のサービス提供を効率化するためだ。

MicrosoftやApple、Googleは、そのライフライクルに従って販促活動をしている。

彼らは決して煽るのを目的に販促活動をしているわけではない。だが、アップグレードをしないデメリットをしっかり説明していないので、(特にIT投資にうるさい日本企業は)商業的勧誘と受け止めてしまいがちだ。

だが、WindowsXPがサポートを打ち切った後もWindowsXPを使い続け、身代金要求マルウェア(ランサムウェア)”WannaCrypt”の被害が相次いだケースは、記憶に新しいはずだ。

マイクロソフト、サポート切れのWindows XP他に「異例のセキュリティパッチ」公開。世界的にランサムウェア被害拡大中

この状況になるまで古いOSを使い続け、その結果セキュリティインシデントが発生したとしても、その責めは自己責任だ。

従って、IT技術の進歩に「適切」に投資を行うためにも、技術のライフサイクルをしっかり認識し投資することが、これからの時代には必要になってくるだろう。