起業するときの苦悩

起業するときの苦悩
最近、起業ブームなのかやたら”起業”というキーワードをよく目にする。
また、起業することによって、”経済的自由”や”時間の自由”が得られるといったメリットばかり強調され、起業のデメリットやそもそもどういったリスクがあるのか?といった話があまり出て来ていない。
今回は、「起業」するときのリスクと、実際に僕が体験した苦悩についてお伝えする。

起業は甘くない。では、どこが甘くない?

まず、01boosterの合田ジョージさんのYoutubeをご覧いただきたい。

合田さんのお話にもある通り、起業してから一番直面するのは、”お金”の問題と、”受注”の問題である。
僕の場合、ネットワークエンジニア、開発エンジニア職を経て、Web系のオフショア開発法人を立ち上げたのであるが、起業して最初に直面したのは、
“受注”が思ったより取れない”
ということであった。
極端な話、会社員自体は受注率30%だとした場合、起業すると10分の1、つまり3%ほどになってしまう。ということは、新規営業したり既存の顧客に働きかけるコストが、会社員の時より大幅に膨らむのだ。
しかも、勤めていた会社の看板よりもはるかに信用度の低い看板で営業活動をする。
このハンディキャップは、実は想像以上に大きいのだ。
この苦悩って、実際にやってみたいとわからない領域なので、起業する際のノウハウの中でも言語化できない領域の一つである。
そして、受注できなければ、当然お金は入ってこない。
ところが、お金が入って来ないにも関わらず、固定費はどんどん引かれていく。
キャッシュフローがマイナスの状態が続くのだ。
起業が甘くない、ということは、とどのつまり、
そんな簡単にお金や時間的自由は手に入らない!ということなのだ。

とはいえ、起業する能力やコミットメント能力は必要

ところが、世の中は”起業できるパワーのある人間”を欲している。
ゼロからイチ以上の成果を生み出せる人。つまり、裸一貫でビジネスを作れる人が重宝される。
最近Webサービス系のスタートアップ企業が増えているが、それは以下の理由によるものだ。

  • コストがかからない:在庫等を抱える必要がないので、人的コストが大半で済む。
  • ストックビジネス化できる:顧客を囲い込んで継続課金サービス等で提供することで、LTV(顧客生涯価値)を最大化することができる。
    ≒売り切りではない。

会社員を長くやっていると、”顧客がいるのが当たり前”、”お金が入ってくるのが当たり前”となってしまい、キャッシュフローのコントロールや営業コストのかけ方など、
ビジネスの運営に必要なノウハウが育たない。
それだけではない。
顧客に対する自己のサービスのコミットメント能力が育たないのだ。
起業するときの難関の1つに、受注可能な顧客をいかに握れるか?という命題がある。会社員時代は、取引先の現場担当者や部門責任者とやり取りする人が大半だろう。
ところが起業すると、そのレベルでやり取りしていたら、仕事なんてまず入らない。
なぜなら、発注するための予算を決めるのはほかでもない会社役員レベルだからだ。
また、思ったより会社の看板が、自分の価値をブーストしていることに気づかされる。会社の看板がなくなったとたんに、”誰お前?”状態になってしまうのだ。
それを打破するには、”自分自身で作り上げた実績”をもとに顧客を開拓するしかなくなる。
つまり、顧客に自分の価値、自社サービスの価値を伝え、受注する能力が必要だ。
それを、僕は”コミットメント能力”と言っている。

起業する前に、自分でサービスを売ってみる

では、起業したい!といったときに何を気を付けるべきなのか?というと、
僕は、”会社員時代に、自分で考えたサービスを顧客に売ってみる”ということだと思っている。
僕の場合、起業する前に、フィリピン産の最高級(アラミド)コーヒーの販売代行や、Webサイトを構築できるCMS(Wordpress)の構築を請け負ったりしていた。
その中でも、合田さんの動画の通り、”自分が思っていた能力”と、実際にコミットメント出来な結果にかなりの乖離があった。
逆に、そのステップがあったからこそ何とか起業できた、ということになる。
そして、起業するということは、自分自身が意思決定者になるということだ。
それはそれで1つの醍醐味でもある。
起業したい!という方は、ぜひ自分で考えたサービスを、会社員時代から売ってみることをお勧めする。

副業禁止の会社の場合はどうするか?

たまに、「副業禁止」の会社に勤めているが、どうすれば自分でサービスを売れるのか?という質問を頂くことがある。
その場合は、「副業可能」な仲間とタッグを組む!という手もある。
自分はシャドウとなり、「副業禁止」の目をかいくぐり起業を肌で体感するのである。
これを僕は”シャドウ起業”と呼んでいる。
いずれにせよ、いきなり起業するのではなく、ジャブの様に少しずつ起業を体験しながら、準備して起業した方がはるかに成功率が高くなる。