マレーシアから見た日本の製品とマーケティング
日本の製品の品質は世界最高水準だ!
こういった声が叫ばれて久しい。
ところが、日本人が滑稽だと思うところは、これらの声は海外の人の一部の声と大半の日本人から発せれらた話なのである。
今回は、マレーシアの人たちが、日本の製品をどう思っているのか?についてお伝えする。
日本製品は高品質。だが・・・
日本の製品は、中国製、台湾製、韓国製と比べると確かに品質は素晴らしい水準にある。
中国製の電源アダプタを買って思ったのは、何しろ品質が悪いことだ。この前も、電源アダプタから”ぼんっ!”という音が鳴って、内部のヒューズが飛んでしまったことがある。
それに比べれば、日本製の電源アダプタは信頼できる。
また、日本のPanasonicの洗濯機、冷蔵庫は、韓国製のHyndai、Sumsung系メーカーと比較しても非常に性能が良いし、実際に性能の良さ、機能の豊富さをアピールしている。
ところが、実際は韓国製のHyndai、Sumsung系の方が売れ行きが良いのだ。
それは何故か?
高品質=売れるわけではない
これは、実際にマレーシアの経済企画庁(MQTrade)の知人に聞いた話だ。
日本の製品は品質がいいんだけど、正直高すぎるんだよね。我々は、そこまで高品質なもの求めてないんだ。
この話を聞いたとき、なるほどと合点がいった。
というのも、マレーシアにおいて、日本のメーカーは韓国や台湾、中国メーカーに押されているからだ。
中には撤退した企業もある。
なぜ、高品質なのに売れないのか?といったら、至極単純な答えになる。
高品質の押し売り
をしているから、売れないだけだったのだ。需要がないのに売れないのは至極当たり前の話である。
その中でも一際目立つイオン、ダイソーと日系高級飲食店
その中で、異彩を放っているのが小売系のイオンとダイソーだ。
彼らはメーカーではないので一概に比較はできないが、現地マレー人にも非常に人気があるショップである。
それはなぜかというと、「安かろう悪かろう」だからだ。
ただ、「安かろう悪かろう」の観点は、我々日本人から見た観点であって、現地マレー人からすれば必要十分なのである。
特に、マレーシアは貧富の差が大きく、富裕層の人口も非常に多い(総人口の約20%)のが特徴だ。
ダイソーとイオンは、その中でも低所得者~中所得者のレンジをターゲットにして、見事に成功している。
また、クアラルンプールの中心地では、現地に即した日系高級料理店が好況だ。
というのも、彼らは富裕層向けにターゲットを定めて、サービスを提供している。
それがうまくはまった感じだ。
そして、こういったターゲット手法がうまくいっているのが、早くからマレーシアに進出していた中小企業・零細企業だったりするから驚きである。
日本の大手企業も、売り方・ターゲットを上手くコントロールできれば、飛躍的に経済成長している東南アジアでは商機はあると思う。