社会問題において、なぜ今までその課題が解決されなかったのか?という視点の欠如
最近思うこと。それは、社会問題において、「なぜ今までその課題が解決されなかったのか?」という視点。
というのも、社会的課題を解決したい!社会問題を解決したい!と主張する人たちが、もっともなことを言っているようで、主張の内容が辻褄合わなかったり、実際解決しようにも現実的ではなかったことがあったからだ。
今回は、新規ビジネスを立ち上げたり起業する際にも重要な、「なぜ今までその課題が解決されなかったのか?(why can’t)」という観点についてお伝えする。
実は、日本人はWhyを突き詰めるのが苦手
ご存知の方もおられると思うが、日本人は「なぜ(why)を突き詰めるのが苦手」だ。
というのも、なぜ(why)を突き詰めていくと、問題(課題)が解決されなかった事実(fact)よりもトリガー(trigger, human)にどうしても目が行ってしまう。
すると、誰々が悪い!責任をとれ!と、非難だけが出てきてしまい、肝心の根本的な要因の分析までたどり着けないのだ。
責任の所在を明らかにするのも重要だろうが、それよりももっと大事なのが、
なぜ今までその課題が解決されなかったのか?(why can't)
である。
特に新規ビジネスを立ち上げたり、今まで社会的問題(課題)を解決するために必要な視点が、
なぜ今までその社会的問題(課題)が解決できずに現代にいたるのか?という視点だ。
社会的課題に立ちはだかる3つの壁
社会的問題(課題)といえば、貧困問題は特にわかりやすいと思う。
例えば、「なぜ、貧困問題が今まで解決されなかったのか?」
有史以来、今まで解決しようと思った人は数多くいるはずだ。
だが、実際に現代においても貧困問題は解決されていないし、その日の糧に困る人は数多くいる。
それどころか、格差は日増しに拡大し、先進国に住む我々は、非常に便利な生活を謳歌している。
なぜ貧困問題が解決されないのか?を突き詰めていけば、実は1つの側面が見えてくる。
それは、「貧困問題が発生するのは、有史以来の必然」という部分だ。
つまり、解決しようにも様々な障壁があり解決できないのだ。
細かい説明はここでは割愛するが、貧困問題のような社会的課題を解決するためには、
- 技術的に無理
- 莫大なリソース(人・モノ・金・時間)が必要
- そもそも解決するメリットがない
等の大きな障壁をクリアしなければならない。
まず、そのことを認識すべきだろう。
あなたが、何か社会的に貢献したい!〇〇をしたいと思ったら、
- 〇〇を実現出来たら、何が解決するのか?(what)
- 〇〇を実現出来たら、誰が得するのか、どうなるのか?(who)
- 〇〇は、いつまでに出来なければならないのか?(when)
- 〇〇は、なぜ実現する必要があるのか?(why)
- 〇〇を実現するためには、どうするのか?(how)
に加えて、
なぜ、今まで実現できなかったのか?(why can’t)を、過去をさかのぼり考える必要があるのだ。
ビジネスを立ち上げて、課題が解決されればOK!にはならない
立ち上げたビジネスが、社会的に意味のあるものか?(Morality) 立ち上げたビジネスが、継続性のあるものなのか?(Continuity) 立ち上げたビジネスが、誰かに利益をもたらすのか?(Profitability)
- 技術的に無理
- 莫大なリソース(人・モノ・金・時間)が必要
- そもそも解決するメリットがない
いずれかの理由で、今まで解決できなかったのであれば、上記3つのいずれかが解決されない限り、社会的に実現する意味がないし実現することはできない。
厳しいようだが、まずその認識がなければ、社会的問題(課題)の解決を目的とした貴方のビジネスは、厳しい資本主義社会を生き残ることはできないだろう。