【これからエンジニアになりたい人向け】ITエンジニアの種類と仕事内容の紹介(2)
前回は、ITエンジニアの主な職種についてお伝えした。
今回は、主なITエンジニアから派生した専門的な職種と、それぞれの「業務内容」「スキル」「資格」「年収」「独立のしやすさ」「将来性」を紹介する。
その他のITエンジニアの種類
サーバーエンジニア
サーバーエンジニアとは、サーバーの設計・構築・運用・保守を専門的に行う職種だ。ネットワークエンジニアがサーバーに特化したケースにあたる。
IT業界の中でも人材不足気味の職種で、アプリケーションに強いサーバーエンジニアはかなり重宝される。
★業務内容
- サーバの設計
- サーバの構築
- サーバの運用・保守
★スキル
- ハードウェアの知識
- OSの知識
- ネットワークセキュリティの知識
★資格
- Linux技術者認定資格(LinuC、LPIC)
- Cisco技術者認定資格(CCNA、CCNPなど)
- マイクロソフト認定プロフェッショナル(MCSA: Windows Serverなど)
★年収
- 300万円~700万円
★独立のしやすさ・将来性
- 独立のしやすさ:○→△
- 将来性:○→△
ネットワークエンジニアよりは独立しやすい職種。特に最近では仮想サーバー化が進んでいるので、仮想サーバーの運用に強いと重宝されやすい。
ただし、独立を考えるのであれば、ネットワークエンジニアと同様、プログラミング等のアプリケーションレイヤーにも強いほうが有利。
将来的には、サーバーレスのクラウド化が進んでいくので、AWSの様なクラウドやアプリケーションに、ある程度は強くなっておいたほうが良いだろう。
セキュリティエンジニア
セキュリティエンジニアとは、IT資産のセキュリティ対策に当たる職種だ。ネットワークエンジニアやシステムエンジニアがセキュリティに関して特化したケースにあたる。セキュリティコンサルタントと呼ばれることもある。
システムエンジニアの上位職種に近く、ネットワークやアプリケーションの幅広い知識が必要となる。
個人情報を保持する会社や個人にとっては、個人情報保護法やEU一般データ保護規則(GDPR)の施行により、特にWebサイト周りのセキュリティ対策は緊急の課題になっており、近年需要が急に拡大している業種の1つである。
★業務内容
- ネットワーク、サーバー、システムの設計
- システムの運用・保守
- セキュリティ面を考慮した、システム設計のコンサルティング
- 脆弱性診断の実施とその対策
- セキュリティインシデント(重大事故)における原因調査と対策
★スキル
- ハードウェアの知識
- OSの知識
- ネットワークセキュリティの知識
★資格
- Cisco技術者認定資格(CCNA、CCNPなど)
- CompTIA Security+
- ネットワーク情報セキュリティマネージャー(NISM)
- 公認情報セキュリティマネージャー(CISM)
- 情報セキュリティスペシャリスト試験
★年収
- 300万円~600万円
★独立のしやすさ・将来性
- 独立のしやすさ:○
- 将来性:◎
ネットワークエンジニアよりは独立しやすい職種。特に、先述の通り需要は高まっているので、資格や実績があればコンサルタントとして案件を受注することも可能だ。
テストエンジニア
テストエンジニアとは、システム開発のテスト工程に特化した専門職である。
システム開発が大規模化している今、大規模システムに対応可能なテストエンジニアは需要が高くなってきている。
特に、テストの自動化が進んでいる今、人でないと気づけないようなテストが実施できるエンジニアが重宝される。
★業務内容
- テスト工程の設計
- テスト工程の実施
- テスト工程の分析
★スキル
- 品質マネジメントスキル
- テスト業務に関する知識
- テスト対象に関する業務知識
- IT技術(サーバー、ネットワーク、言語)に対する知識
★資格
- JSTQB認定テスト技術者
★年収
- 300万円~800万円
★独立のしやすさ・将来性
- 独立のしやすさ:○
- 将来性:◎→○
主婦やフリーランスでも、すぐに参入可能な職種の1つ。淡々とテスト項目をこなすだけではスキルアップにつながらない。
最初はテストの実施要員として参画し、モンキーテストやバグの検知の経験を積むことで、徐々にテスト工程の設計や分析を行うことができるようになる。
将来的には、テストの自動化、AI化が進んでいくため、従来のマンパワーテストに関しては需要は減っていく。
一方で、セキュリティに強いテストエンジニアの需要が高くなると予想されている。
セールスエンジニア(技術営業)
セールスエンジニアとは、ITの専門知識を利用して営業を支援する職種だ。
主に、自社のプロダクト製品の導入やシステム開発について、技術面を中心に説明し提案・販売するのが主な業務になる。
一般の営業職との違いは、提案するクライアントのIT知識のレベルに応じて、それぞれ分かりやすく説明するためのスキルが必要になる。
★業務内容
- システム導入の提案・販売
- クライアントとの調整・交渉
★スキル
- 販売するシステムに関する基礎知識
- 一般的なITの技術的知識
- コミュニケーション力
★資格
- なし
★年収
- 400万円~900万円
★独立のしやすさ・将来性
- 独立のしやすさ:◎
- 将来性:△?
営業職に当たるので、独立はしやすい職種に入る。エンジニアとタッグを組んで独立するのがベスト。
将来性は未知数。コミュニケーション力が高いシステムエンジニアでもできる領域なので、セールスエンジニアとして差別化するのは難しいかもしれない。
フィールドエンジニア(カスタマーサポート/サービスエンジニア)
フィールドエンジニアとは、いわゆるカスタマーサービス領域を担当するヘルプデスク的な職種だ。
例えば、システムの構築に伴い、顧客先にサーバやPC、プリンターなど機器の設置・設定・保守に(フィールド:外回り)訪問する。
また、状況によっては、電話対応を行ったり、顧客のPCを遠隔操作したりすることもある。
顧客先で作業をすることが多く、トラブルが発生すると24時間365日駆り出されることも珍しくない。
★業務内容
- 電話・メール・チャットによるサポート対応
- 現地訪問によるサポート対応
★スキル
- 担当する製品に関する知識
- コミュニケーション力
- 他者の疑問・要望に対する問題解決能力
- IT技術に対する一般的な知識
★資格
- なし
★年収
- 250万円~600万円
★独立のしやすさ・将来性
- 独立のしやすさ:△
- 将来性:△
カスタマーサポートだけで独立するのは非常に難しい。高度に専門的な知識があり、かつカスタマーサポートにさらに付加価値を加えるだけのスキルがないと、独立するのは非常に厳しいと言わざるを得ない。
しかし、カスタマーサポート経験があるエンジニアは、顧客との要求定義や要件定義において、顧客が抱えている現在の課題を想像しやすいので、キャリアアップの最初に段階では経験しても悪くないかもしれない。
将来的には、AIやロボットに置き換わる可能性が高く、あまり将来性のある職種とは言えないだろう。
最後に
前回から引き続き、様々な職種を紹介してきたが、ITエンジニアといっても様々な職種がある。
最近では、クラウド化が進むにつれ、ネットワークやプログラミングの知識を総合的に使いこなす、フルスタックエンジニアという職種も出てきている。これからAIがどんどん社会に進出していくことを鑑みると、どのような職種であれ、一定のプログラミングのスキルは必要なのではないだろうか。
もし、ITエンジニアの仕事に興味があったり、フリーランスして案件を受注したい場合、以下のサイトでも様々な業種で募集しているので、是非参考にしていただければ幸いである。
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