分かり合えないからこそ棲み分けが重要 – 人間関係で距離を置く大切さ
まれに、人間関係でご苦労されている方から、
というお話を聞くことがある。
今回は、似たようなお悩みを抱えている人が、気楽に生きていけるようにアドバイスしたいと思う。
すべての人と分かり合おうなんて無理
まず結論として、世の中すべての人と分かり合おうなんて考えるのは、かなり無理があるし無駄でしかない。
私は海外、マレーシアに移住して3年近くたったが、マレーシアは多民族国家だ。お父さんはインド人だったり、おばあさんは香港出身の客家だったりと出自はバラバラだ。
当然、出自や育った文化、コミュニティによって、大きく価値観が異なる。
仕事を例にすれば、
- 中華系マレー人のAさんは、仕事をきっちり頑張る。そのかわり旧正月は何があろうと必ず休む。
- インド系マレー人のBさんは、仕事よりも家庭が大事。仕事よりも家庭を最優先。
- イスラム(ムスリム)に帰依しているCさんは、お祈りの時間だけは仕事はしない。それ以外はある程度自由に仕事をしている。
- 日本人駐在員のDさんは、仕事最優先。残業してでもその日のノルマを終わらせる。
Aさん、Bさん、Cさん、Dさんは、仕事や生活、家庭に対してそれぞれ多様な価値観を持っている。A~Dさん共通の善悪論は成り立たない。
果たして、価値観の異なる人たちと、無理に頑張って分かり合おうとする必要があるだろうか?
八方美人はろくな目に合わない
私は会社員時代、かなり八方美人だった。
もともと気が強い性格でもないので、強く主張するのが苦手だった。
友達や上司、部下、同僚達とコミュニケーションをとり、彼らとの間で最適解を探すことが苦痛でしかなかった。
参画するメンバーが多いほど、その彼らの主張や価値観の中で最大公約数を探さなければならず、ただただ時間を浪費し疲弊していった。
ところが、起業して顧客やパートナー、友人に対して自分本位で付き合うようになってからストレスが激減した。
今は、そんな苦痛は全くと言っていいほど存在しない。
顧客に対しても言いたいことははっきり言えるし、顧客ももはっきり言ってくる。
だが、その関係は非常に心地よい。お互い信頼関係も成り立っていて、かつ価値観が近い人たちなので、気を使う必要がない。
人間関係で疲れることがないのだ。
一方、八方美人、つまり人間関係は受け身ではろくな目に合わない。
友達が多い人は、間違いなく人間関係で疲弊しているはずだ。
なぜ、人は棲み分け(カテゴライズ)するほうが良いのか?
起業してから出会った経営者や起業家は、人間関係の棲み分け(カテゴライズ)が非常に上手な人が多かった。
では、なぜ人は棲み分け(カテゴライズ)するのか?と言えば、そのほうがお互いに楽だからだ。
もし、価値観の違うグループ同士が干渉すれば、妥協点を探りあうだけでもかなりのエネルギーを要する。
ヨーロッパや中東で戦争が多かったのは、その価値観の異なるグループ同士を無理にまとめようとして喧嘩していたからだ。
それだけ、価値観を理解し合わせるということは、非常にエネルギーを要することだし、無駄が多いことなのである。
逆に人間関係の棲み分け(カテゴライズ)ができると、
- 本当に大事な人と一緒にいる時間を確保できる
- 相手の思考や価値観に振り回されない
- 付き合いの出費が減る
といったメリットもある。
分かり合える人を大事にしよう
私の場合、東南アジアのスローライフ的な考えが大好きだ。
- 自由にマイペースに生きる
- 上下関係、人間関係に縛られない
- 暑くなったら昼寝、雨(スコール)が降ったら一休み
東南アジアにいると、こういったマイペースな自由人が圧倒的に多い。
それが良いと思う人もいるだろうし、日本人的な考えからすれば、「お金もらって何を自分勝手にやってんだ」と思う人もいるだろう。
それは、それで構わない。相手にしなければいいだけの話だ。
逆に、価値観の近い人やそのコミュニティほど大事にしたほうが良い。相手からも大事にされやすいからだ。
話をまとめると、
- 人間関係で無理しないこと。分かり合えない人とは距離を置くこと
- 自分のとって居心地のよい相手のみと付き合うこと
- 自分のコンフォートエリア(居心地が良い人たちとのコミュニティ)を大事にすること
といったことを気を付けていくと、気楽に、自由に、自分の思うがままに生きることができる。
最後に
私が尊敬するマナブさんも、以下の記事で同じようなことをおっしゃっているので、ぜひ読んでいただきたい。
分かり合えない人との付き合い方の結論は「距離を置くだけ」です。@manablog
東南アジアに生きる人は、みなマイペースだ。