【コラム】ネット広告に厳しい時代の到来!よりフォロワーの質が問われるインフルエンサー
本日(2019/05/22)、NHKのクローズアップ現代で、「ネット広告の闇 水増しインフルエンサー」という番組が放送された。
先日、以下の記事を投稿したが、その中で触れたインフルエンサーの未来がいよいよ現実化しようとしている。
【マーケター向け】インフルエンサーマーケティング2.0とは?インフルエンサーマーケティングの未来を大胆予想する
今回は、改めて、厳しい時代を迎えたネット広告と、インフルエンサーマーケティングの将来性についてお伝えする。
フォロワー数を増やすため、業者からフォロワーを買うインフルエンサー
番組の中では、主にフォロワーの水増しについて触れていた。
インフルエンサーは、仕事を獲得するためにフォロワーを業者からお金で購入し、自分の発信コンテンツとは無関係のフォロワーを水増ししているというのだ。
実は、インスタグラムが波及する以前から、Twitter等でもその危険性が問題視されたことがあった。
ということだ。
フォロワーを販売する業者は、
- ハッキングして入手した可能性のある、自分たちが全く知らないアカウント
- 自動(bot)で作成したアカウント
といったフォロワーをインフルエンサーに販売している。
この番組では、いつの間にか自分の知らないアカウントをフォローさせられていたユーザーへインタビューをしていたが、正直氷山の一角だと思う。
その他にも、昨日5/22に、Instagramインフルエンサーらの個人情報、4900万件が流出しているとの報道があった。
こういったセキュリティインシデントにより流出したアカウントを乗っ取って、知らぬ間にフォローしている可能性もある。
話は戻るが、このインフルエンサー水増しは、
- ユーザーのSNS離れ
- 広告主がインフルエンサーを利用しなくなる
といった2つの大きな問題を引き起こすになる。
ユーザーのSNS離れを加速させる
最近では、金銭で買ったフォロワーの度重なる通知や無駄な投稿の閲覧疲れから、SNSビジネスが加速する中でも特定のSNSからユーザーが離れる現象が発生している。
◆参考:フェイスブック離れの若者、インスタで受けきれず
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO26992820W8A210C1000000/
ちなみに、2017年では逆で、FacebookからInstagramに増えるユーザーが多かった。
ユーザー目線を失ったインフルエンサーマーケティングは確実に終焉を迎え、よりユーザー目線を追求したインフルエンサーだけが生き残るはずだ。
広告主がインフルエンサーを利用しなくなる。または利用を減らす。
実は、広告主がインフルエンサーを利用しなくなる兆候は、徐々に出始めていた。
instagram等でプレゼンスは一定高まるとは思うけれど、フォロワーとリーチをがいくら増えても売上に与えるインパクトは大したことないのが普通だし、あったインパクトも持って2年くらいが肌感。やっぱりSEO、メルマガ、LINE、アプリ、広告らへんでSNSで高めたプレゼンスを刈り取らないとな気がする。
— 青木耕平/クラシコム (@kohei_a) May 14, 2019
どういうことか?というと、インフルエンサーマーケティングをしようにも、フォロワーやリーチと言った「影響力」だけでは「購買」につながらないのだ。
MA(マーケティングオートメーション)ツールを入れている会社は、購買までのユーザー導線を分析して、その傾向があることに徐々に気づき始めている。
インフルエンサーは、認知度拡大には一役買ってくれるが、購買までをフルコミットできるわけではない。
となると、広告主はシビアに費用対効果を考えるようになる。
つまり、
- 売上につながらないインフルエンサーをきる
- インフルエンサーへの投資を減らす
ということだ。
フォロワーの質がさらに重要になったインフルエンサー
これからの時代は、ネット広告を取り巻く環境はますます厳しくなるだろう。
特に、インフルエンサーの実力を図る指標が、基準があいまいな「影響力(フォロワー数やリーチ)」である以上、定性評価を下すのが難しい。
これらの問題を解決するためには、フォロワーの数だけでなく、その質が重要になる。
質とは、つまり、
ということに他ならない。
よりインフルエンサーとフォロワーとの関係性が近く、信頼されているインフルエンサーが、これからのインフルエンサーマーケティングの主軸を担うようになるはずだ。
安易にインフルエンサーマーケティングに飛びつかないこと
インフルエンサーへ仕事を依頼する事業者側も、今まで以上にインフルエンサーマーケティングに対してよりシビアに見る必要がある。
特に、
- 見込み客の数に比べて、購買率が異常に低い。
→キャンペーン施策の実施や、購入導線の改善等を実施して購買率を上げる必要がある - 見込み客が非常に少ない。自社商品が認知されていない。
→認知度を拡大する必要がある
といった視点で、販売戦略や集客フェーズによって重要視する施策を抑えておく必要がある。
先ほどお伝えした通り、インフルエンサーの得意分野は認知度拡大である。
平たく言えば、
- 自社商品が記載されたチラシ配り
- 自社商品が記載されたティッシュ配り
- 口コミの投稿
といったことを、写真や動画付きでやってくれるのがインフルエンサーだ。
インフルエンサーマーケティングに安易に飛びつくのではなく、インフルエンサーへの費用対効果をシビアに判断していく必要に迫られている。