成功できない人の特徴
会社を運営している関係で、様々な人と会うことが多いが、
しばしば、「こいつは成功しないな」と思う人と遭遇することがある。
巷でも、こういった「成功できない人」の記事が多いが、本当に記事の通りなのか?という疑問もあったので、個人的に観察してみた。
その結果、”ある特徴を持つ人は必ず成功しない”、という法則が見えてきた。
成功する人の共通点
いきなり、表題とはかけ離れた話だが、成功する(した)人について整理する。
実は、”成功した人”に属していない人は、その時点で成功しなかった人、即ち成功できない人にあたる。
この図は、数学で習う基礎的な裏・逆・対偶というものだ。この場合、pならばqをいう関係を、以下の様に整理した。
p:努力した(行動)
q:成功した(結果)
結構乱暴な整理をしてみたが、因果関係は以下の表の様に整理できる。
p(努力) | q(成功) | 要因 |
努力した | 成功した | 成功につながる努力をした |
努力した | 成功しなかった | 成功につながらない努力をした |
努力しなかった | 成功した | 努力しないがたまたま成功した |
努力しなかった | 成功しなかった | 必然的に失敗した |
すると、「ただ努力すれば成功する」わけではないのは自明の理だ。
つまり「成功につながる努力」をしなければ成功しないのだ。
では、「成功につながる努力」とは、一体何なのか?
様々な人を見ていると、成功した人が行っている努力は、以下の通りに分類できる。
- 天才肌:ゴールに最短でたどり着けるような努力をする人
- 人との協業:自分ができない、足りない部分は他人に補ってもらい、トータルの努力量で成功に結びつける人
- 圧倒的な努力量:人の何倍も時間を使い、努力量で成功に結びつける人
- 努力の集中:あらゆる分野に努力をするのではなく、フォーカスする
1の天才肌の人は、言うまでもなくトップアスリート等に多い。元々才能があるケースだ。こういう輩には、一般人は彼らと同じ努力量だと逆立ちしても勝てない。
2の人との協業は、所謂「人を巻き込むのがうまい」タイプだ。特にカリスマ的なタイプに多いかもしれない。
圧倒的なカリスマがあり、周りがサポートしてくれるような人だが、「あの人のためなら何でもする」という気概を持つ人が周りにいなければ、ただのなれ合いに終わってしまうケースが多い。
歴史上の人物だと、漢の高祖劉邦だろう。
そして3だ。日本のみならず成功している人の大半がこれに当てはまる。実は実際に成功している有名人の中身も、1に当てはまる人がいる。
- イーロン・マスク
- マーク・ザッカーバーグ
- 孫正義
- 堀江貴文
意外な顔ぶれが多いかもしれないが、彼らは寝食を惜しんで週100時間以上も働きのし上がってきた人たちである。週100時間ということは、一日13時間以上働いている計算になる。一般市民とは努力量で格段の差があることがわかるだろう。
最近よく話題に上がるイーロン・マスクも、「むちゃくちゃ働く」ことの重要性を言っている。
イーロンマスクから若者に捧げる成功への5つの秘訣http://blog.btrax.com/jp/2015/03/11/elon-2/
成功するためには、圧倒的な努力をするのが一番早いのは明白だ。
また、4のケースであるが、孫正義は「一所懸命」に働くことの重要性を説いている。
小さい市場を寡占するだけの努力をしなければ、市場経済の中で生き残ることは難しいのだ。
余計なことに目もくれず、生き残る戦略のために努力量を特定の分野に集中する。
つまり「好きこそものの上手なれ」を体現することが、成功しやすいポイントになっている。
成功できない人の共通点
さて、天才肌やカリスマ性のある人はともかく、成功した人の特徴が「圧倒的な努力量(量)」と「一所懸命(集中)」だった。では、それ以外の人はどうなのか?やはり成功している人はいないのだ。では、成功していない人の特徴を見ていこう。
努力の最大化・生産性を意識していない、努力量が足りない
努力の最大化・生産性を意識していないケースとして、1例がある。
最近ノマドワーカーという言葉が流行っているが、その関連からか「カフェで働くのがカッコイイ」と勘違いしている人が多い。
そういう人は、カフェで働く自分に酔ってしまい、努力になっていないケースが多い。Instagramにカフェの画像ばかり上げている人はいないだろうか?イイネの数に満足してしまい、コンバージョンに結びついていなかったりしないだろうか?
現在は、働き方改革の関連もあってリモートワークのケースが増えてきているが、リモートワークの本来の目的は、「場所に依存しなくても生産性を維持する」働き方を実現することにある。生産性が落ちるようでは意味がないのだ。
私の知人にも、混雑しているカフェからSkypeで連絡してくる輩がいてびっくりした。
しかも、インカムすら使っていないので、PCのマイクが周りのノイズを拾ってしまい、うるさすぎて会議にもならない。普段は温厚な私だが、さすがに文句を言った笑
自分ならまだしも、人まで巻き込んで生産性を落としてしまう…それでは成功しない。
時間の価値を理解していない
日本人はせっかちな民族なので、あまり時間を無駄にしたくない人が多いが、それでも中には時間の価値をわからない人がいる。
特に、自分の時間の価値に気づいていない人は、他人の時間に対する尊重・意識が低いので、他人の生産性をも下げてしまう。
成功している人は、そういう輩を最も嫌う。
貴方の周りに、遅刻常習犯・納期を守れない人はいるだろうか?
また、○○までにやります!と宣言しておいて、当日音信不通になってしまう人はいるだろうか?
当てはまる人がいたら要注意である。すぐに関わらないようにした方がよい。
時間は有限なのだ。
貴方の成功を犠牲にしてまで、彼らと関わる義理はないはずだ。
無駄な努力をしている
人間である以上、過ちは犯す。無駄な努力がない人はいない。
だが、たまに無駄な努力ばかりしていて、成果に結びつかないことを延々とやる人がいる。
無駄な努力とは何か?というと、”人に価値を提供できることに紐づかない”努力だ。あまり無駄な努力というもの自体がないのだが、以下のケースはまさに無駄な努力だ。
例えば、人脈作りに精を出して、異種業交流会に参加してばかりいる人である。
目的がはっきりしていて、異種業交流会に参加するのはいいことだ。
ところが、異種業交流会に参加して様々な人とあることが目的になっている人を見かけることがある。彼らは「○○がしたいんです!」と主張するのだが、彼らに「では、あなたは何ができるんですか?」という質問をすると、答えが返ってこない。または、「こいつほんとに大丈夫か?」みたいな答えが返ってくる。
なぜなら、人に価値を提供するだけのスキルを磨く努力をしていないからだ。
逆に、
- 私はプログラムができます!
- 私はデザインができます!
- 私はディレクションができます!
そういう人は、人に価値を提供できるだけのスキルがあるので、周りが放っておかない。すると、「人とのつながり」ではなく「人脈」が形成されるのだ。
人脈が形成されれば、別に異種業交流会に参加しなくても困らない。
努力するならば、「人脈」を形成する努力をした方がよっぽど良い。
努力が分散している
私も会社の生存戦略のため、あらゆる分野に種まきを行うことがある。
だが、ビジネスモデルとして成り立たないと思ったら、すぐに撤退する。
逆に、長期的に儲かる分野、社会に貢献できる分野の場合は、そこにフォーカスを絞って最大限のリソースをつぎ込む。弱者は狭い分野で1強にならなければ生き残れないのだ。
これはキャリアプランも同じで、何かの分野で専門家にならなければ、名前すら憶えてくれないのが現実だ。
ところが、中にはそれができない人がいる。
これは、本人の性格によるところもあるので、一概にダメだとは言えないが、
成功したければ軌道修正する必要がある。
例えば、以下のケースだ。
- 去年はフードマイスターの資格を取ろうと勉強したが、資格をとれないどころか専門家にすらなれなかった。
- 今年は着物着付けのプロになりたいといって、着物イベントに参加したが、いっこうに着物について詳しくなれていない。
周りにこんな人いないだろうか?
私も、一貫したキャリアは経ていない。
- 学生時の専攻は有機化学だった。
- 新卒で携わった分野は、ITインフラ部門だった。5年やって、ネットワーク構築ができるようになった程度。
- 次に携わったのがWebシステム開発。某SIerで5年ほど製品開発をやった。
- 今は、メディア事業を中心に仕事している。
やはりその道の専門家にならないと、まず人に信用してもらえないし、「人脈」を形成できないと肌身をもって学んだ経緯がある。
従って、一極集中。人に認めてもらえるまで(≒お客がつくまで)、ひたすら努力して名を売ることが成功のポイントだ。
私がなぜ起業できたかといえば、各専門分野で3年以上続けたからだ。
5年ほど続ければ、人が自分を見る目も変わってくる。特に複数の専門分野を持つと、相談したいという人が増えてくることもある。
成功したければ、1つの分野で最低は3年以上は、圧倒的な努力を重ねるべきである。