【起業したい人向け】失敗に謙虚であれ!事例から学ぶ起業失敗の法則
先日、風の便りで、私に知人だった人が、子会社の社長を退職したとの話を聞いた。
調べてみると、どうやら子会社が始めた新規事業がうまく伸びず、赤字が膨らんで事業を潰してしまったそうだ。
起業家にとっては他人ごとではないと思うので、この機を境に「なぜ失敗したのか?」を分析し、今後に生かしたいと思う。
事の発端
事の発端は、このツイートにもある通り、私の知人が子会社の社長を退任したことを知ったからだ。
実は、2~3年ほど前に、その知人と新規事業を一緒にやろうと思ったこともあったのだが、事業計画が中々定まらず、またマネタイズも怪しかったために頓挫したことがある。
本人にも様々な問題があったとはいえ、今回の退任劇は本人の資質にとどまらないスケールの話ではないのか?と感じた。
なぜ、起業の失敗を分析するのか?
まず、はじめに断っておきたいのは、この記事の目的は個人攻撃ではない、ということだ。
人間誰にでも失敗はつきもので、失敗してこそ成功につながると思っている。
しかし、失敗を失敗と認めずに何度も同じことを繰り返しても、成功する可能性は極めて低い。
まずは、失敗を謙虚に受け止め、分析する方が将来のためになる。
なぜ、失敗したのか?
私も、起業家の端くれとして事業を始めてもう4年たつが、起業の失敗にはある一定のパターンがあると理解している。それは、
- 市場開拓の失敗
お客さんがいない、もしくは少ない等 - マネタイズの失敗
お金を払えない、もしくは払わないお客さんばかり集めてしまった等 - リソースコントロールの失敗
サービスを行うのにコストが高すぎる、利益が出ない等 - 資本規模以上の多角化
リソース(お金やモノ、人)がないのに、規模以上に色々な事業に手を出してしまうこと
のいずれかに当てはまる。
そして、今回の話は、残念ながらほぼすべてに当てはまる典型的なパターンだと思う。それを順に解説していこう。
市場開拓の失敗
起業する!となったときに、一番大事な要素は「お客様」である。
見込み客の分析が甘い状態では、いくら広告をうったとしても集客はおぼつかない。
それを回避するためには、テストマーケティングといって、実際にどのくらいの見込み客がいるのか?を、少ないリソース(お金やモノ、人)でトライし、反応を見るのが一般的だ。
あくまで推測だが、その子会社のHPもろくに作っていなかったところを見ると、市場開拓や集客がうまくいっていなかった可能性が高い。
マネタイズの失敗
次に考えられるのが、マネタイズの失敗だ。
マネタイズが難しい点は、継続性があるかどうかで成否が分かれることにある。
余談だが、私が代表を務めている会社のマネタイズは、実は企業のIT資産の保守業務に重点を置いている。
なぜなら、保守業務は必要不可欠であるし、毎月定期的に売上をもたらすからだ。
恐らく、そういった定期的にお金が入ってくる仕組みを構築し損ねた可能性が高い。
リソースコントロールの失敗
リソースコントロールもまた失敗の要因になりうる。
本人のSNSを見る限り、派手なイベントや会食をしていたところを見ると、売上に対して無駄に経費を使いすぎていた可能性が高い。
恐らく親会社の懐を当てにしていた可能性が高いが、親会社が資本体力がなければ連鎖倒産の可能性もあったので、きわめて危険な話でもある。
売掛金があるならまだしも、受注が少なく売上が少ない状態では、闇雲に経費を使うのは自殺行為でしかない。
せめて、会計帳簿と会社の銀行口座の預貯金とにらめっこして、経費を調整する必要があった。
資本規模以上の多角化
新規事業を始めた立ち上がりの段階は、大抵の場合うまくいかない。それでも2-3年継続できるか否かで、事業の存続性が変わってくる。
ところが、その子会社の定款(会社の事業内容を定めたもの)を見たところ、非常に多岐にわたる事業を展開する予定だったことがわかってきた。
ここで読者の皆さんに考えていただきたいのが、この会社が何をしたいのかわかるだろうか?
事業が拡大する前提で、定款が変わるのは問題ないのだが、新規立ち上げの場合は、出来るだけ多角化をさけ、利益が出そうな事業を拡大していくのがセオリーだ。
なぜなら、事業の多角化は、想像より多くのコストがかかり、利益を生み出している事業を圧迫してしまう可能性の方が高い。
しかし、テストマーケティングでジャブをうち、どの事業が伸びやすいかを調べるのは問題ない。寧ろ大いにすべきだと思う。
テストマーケティングをした後で、利益が伸びそうな事業を定款に盛り込むのであればリスクは少なかったはずだ。
いずれにせよ、利益が出る事業を見つける前に、存続が危ぶまれるほど赤字が膨らんだのは事実だろう。
他人ごとではない、起業の失敗
ここまで起業の失敗法則について述べてきたが、これは他人ごとではない。
私自身も、いつこのような立場になるかわからない。
今回は、本人にとって大いに残念ではあったが、再度チャレンジしてほしいと心から願っている。
失敗を真摯に受け止め、改善を繰り返していけば、いずれ成功するはずだ。