リーダーに向いていない人 – 4つの要因
リーダーシップ、最近では当たり前のようになった言葉である。
ただ、リーダーシップの本質とは何か?と聞かれると、私を含め答えられない人が増えている。
今回は、リーダーシップの本質を突き詰めるため、あえて、アンチリーダーシップについて考察する。
リーダーシップとフォロワーシップは表裏一体
まず最初に、フォロワーシップという言葉を聞いたことがあるだろうか?
フォロワーシップとは、リーダーシップとは真逆で、リーダーを支えるためのマインドセットである。
突き詰めて言えば気遣いだったり、助け合いの精神だったり、リーダーシップの発揮を助けるスキルみたいなものだ。
でも、そのフォロワーシップを発揮したとしてもリーダーシップが機能しない場合は、チームは崩壊する。
つまり、リーダー失格だ。
では、リーダーに向いていない人のリーダーシップとは、いったいどのようなものなのか?
1.計画性がない
計画は立て始めるときりがない。きりがないとはいえ、何のために計画を立てるのか?という原点に立ち返ればおのずと必要だということがわかるはずだ。
チームのミッションを成功させるために計画を立てる、ただそれだけである。
ドラッガーの言葉を借りると、
「5つの質問」がもたらすものは、行動のための計画である。 計画とは明日決定するものではない。 決定することのできるのは、つねに今日である。 明日のための目標は必要である。 しかし、問題は明日何をするかではない。 明日成果を得るために、今日何をするかである。
ということになる。
これができていないと、場当たり的な行動に終始ししてしまい、成果が得られるどころか時間だけ浪費してしまうことになる。
リーダーは、緻密とまではいかないものの、行動計画を立案し一歩一歩進めることが望まれるのだ。
2.分析できない
世の中には失敗があふれている。私もよく失敗する。
但し、失敗は失敗のまま放置しておいても失敗だし、意外と認識されていないのは、誤った失敗の分析をしてしまうと、結局何も改善されないということだ。
例えば、最近だと小池百合子氏が率いた希望の党の惨敗劇がわかりやすい。
小池氏は、先の衆議院選挙の敗因をこう語った。
- 旧民進党議員を「排除」するという言葉が悪かった。
- (私は女性だから)ガラスの天井までは打ち破れたが、その上に鉄の天井があった。
これは、原因の分析に全くなっていない、ただの主観的観測である。
なぜなら事実に基づく裏付けが何一つないからだ。本人がそう思っているだけで実態は別である。
リーダーは、失敗したらすぐに情報を集め、徹底的に分析して失敗の本質を明らかにするのだ。
分析が苦手であれば、分析の得意なチームメンバーと夜通しやってもいい。
とにかく失敗の本質をクリアにして、チームとして底上げを図ることが一番重要な責務だ。
3.感情だけで突っ走る
よく、劇場型・感情型リーダーは成功する、といった珍妙な話をよく聞く。
しかも挙句の果てに、「思考は現実化する」ということを鵜呑みにして、ただ感情に突っ走ってしまうリーダーがチームを崩壊させている。
[参考;ナポレオン・ヒル「思考は現実化する」の客観的考察]
http://thinking-free.com/thinking_method/tm13.html
勘違いしてほしくないのは、根性・感情といった情緒的な要素が最後に必要となるのは、論理的に組み立てられた計画がにっちもさっちもいかなくなった時だ。
サッカーでいえば、パワープレーである。
一見感情的なリーダーでも、成功しているリーダーは非常に緻密な計画を立てている。
失敗を予測し、その対策を日ごろから検討しているのだ。
そして、チームがにっちもさっちもいかなくなったら、時には叱咤し、時には鼓舞してチームを前に進めていく。
リーダーは、ただ感情に突っ走ってはいけない。
4.ブレる、ブレまくる
私もシステムエンジニア時代に経験ががあるので、非常に反省している部分である。
昔、とあるプロジェクトを担当した際に、設計思想を直前まで固められなかったために、
設計のみならずメンバーの実装や試験の工数が大幅にかかってしまったことがある。
つまり、根底の考え方や思考がブレるとリーダーとしては失格である。
なぜか?なぜブレると失格なのか?
ブレると、メンバーはリーダーの目指す方向がわからなくなってしまい、結果としてメンバーは指示待ちになったり視野が狭くなったりするからだ。
ここで勘違いしてほしくないのは、方針転換とブレるとは根本的に違う、ということだ。
方針転換とは、チームが置かれている環境が劇的に変わり、チームの方針を変えなければチームのミッションが達成できない場合に行うことである。
その場合、リーダーはできるだけメンバーの意見を集約し、その中からリーダーが最適解としたものを選び出し、実行に移すことになる。
だが、ブレるのは違う。そもそもチームのミッションをころころ変えることだ。
某国に例えれば、「ゴールポストを動かす」ということであろう笑
ゴールポストをころころ変えてしまうと、メンバーは当然どこにシュートを打てばよいかがわからなくなってしまうし、パスもどこに出せばいいかわからない。
つまり、全体的な計画の変更を余儀なくされてしまうのだ。
当然、リーダーだけでなくメンバーに大きな負担を強いることになる。
もし、そのようなことが発生するのであれば、メンバー全員に意思伝達を図り、チームとしての方向性を示して納得してもらう必要がある。
主に4つのダメ出しをしたが、これらはすべて私の経験に裏付けされている。
チームリーダーになったり、マネージャになった人は、ぜひこの経験談がお役に立てれば幸いである。鵜呑み