有能なのか?無能なのか?は見方や環境で変わる
最近人手不足の傾向なのか、リストラという言葉をあまり聞かなくなった。
ところが、三越伊勢丹ホールディングスは、「退職金5,000万円」を払ってまで、大リストラを行うそうだ。
今回は、リストラに関連して、人材に対しての「有能」と「無能」についてお伝えする。
三越伊勢丹ホールディングスが断行した大リストラ
三越伊勢丹ホールディングスは、削減対象は比較的若い48~49歳の「バブル入社組」も含んだ大リストラを敢行する。
[三越伊勢丹の大リストラ 退職金5000万円上乗せ…大金積んでまで辞めさせたい真意]
https://www.sankeibiz.jp/business/news/171231/bsd1712310630001-n1.htm
今後3年間に800~1200人の削減を目指すという。
しかも、驚いたのはリストラ時の退職金だ。
退職金の上乗せ額は最大で約5000万円に上るという。
そこまでして、早期退職をしてもらいたい意図はなにか?というと、旧態依然の管理職レベルの人間を減らし、若手にもっと活躍してほしいということだそうだ。
ところが、そう簡単にうまくいくだろうか?
何もできない人ほど依存する
こういった早期退職制度で、真っ先にやめる人たちは、経営層・人事担当者から見たときは、比較的有能な人が多い。
というのも、三越伊勢丹ホールディングスのような大企業を辞めても、飯を食っていける自信があるから自ら手を挙げるわけだ。
逆に、経営者や人事担当者の目線から見て、辞めてもらいたい人ほど会社にしがみつく傾向にある。
なぜなら、辞めても自分の力で飯を食っていく自信がないからだ。
では、そもそも経営者や人事担当者の目線から見て有能な人とはどんな人材か?を考えてみると、以下のような人材だ。
- 自分の役割を理解し、自発的に行動できる
- 継続的に自らを省みて、改善し続けることができる
- 楽観的・ポジティブである
- 謙虚である
- 相手の立場に応じた自己主張ができる
- 人間性が高い。または高める努力を行っている
まあ、こんな人は人事担当者から見れば仙人のような人なので、めったに採用できることはないのだが・・・笑
会社としては、これに準ずるような人材を抱え込み、育てたいと思うのが自然だろう。
だが、そういう人ほど会社に残らないのだ。
有能な人は、制約を最も嫌う
有能な人という定義は、会社や業種によって異なってくるが、大まかにみていくとある共通点がある。
それは、自分で考えられ、自分で決められ、自分で実行でき、自分で責任が取れる人」ような主体的な人である。
つまり、前項の1に該当するような人間だ。
特に、主体的な人間は、旧態依然の意味のないルールや、細かい指示をもらうわなければならない環境を最も嫌うのだ。
彼らは、正直ほっといても時間がたてば何かしらの成果を上げるのだが、こういったしがらみによって仕事がやりずらいと感じた際は、すぐに辞めてしまう。
そして何より不思議なのは、辞めていった人間に対して、「彼(彼女)は、わが社に合わなかったから無能だったんだろう」とレッテル貼りをすることだ。
有能無能は、見方や環境によって異なる
結局のところ、有能・無能の判定は、見方によって全然異なる。
例えば、「会社に帰属して出世する=有能」という定義をすれば、会社を辞めていった人たちは無能だろう。
ところが、「一人当たり稼ぐ金額が多い=有能」と考えればどうか?
おそらく、独立して年収が上がった人は有能。ということになる。
また、環境によっても変わる。
転職して年収が上がる人もいるし、出精する人もいる。またその逆もしかり。
ということは、結局のところ、見方や環境によって異なる。
自分の能力が発揮できていない。自分が仕事に大して主体的に対応できていない。
と感じたら、環境を変えてみることをお勧めする。