【マーケター向け】インフルエンサーマーケティングの問題点とその対策
最近よく耳にするインフルエンサー。
最近では、効果を煽る提灯記事が増える一方、マーケターの現場では「効果がない!」「費用対効果が見えない!」といった話を聞くようになってきた。
今回は、インフルエンサーマーケティングの問題点とその対策についてお伝えする。
過大評価されるインフルエンサーマーケティング
アメリカから生まれたインフルエンサーマーケティング、その実態は様々な評価がある。
ところが、下記のように、一部の広告代理店やインフルエンサーエージェントが、テンプレートの様にインフルエンサーマーケティングを提案する事案が発生している。
地方企業に顕著なのだが、お前らは「インフルエンサー」の効果を過大評価し過ぎ。某地方都市のアパレルブランドのPR戦略の企書を見せられたが、フォロワー4000人ぐらいの「情報感度が高いインフルエンサー」の女がカネ払う対象としてリスト入りしていたが、フォロワーより「フォローしてる」が多かった
— 中川淳一郎 (@unkotaberuno) 2019年2月11日
この企画書を見せられて、当然オレは「この企画はクソ。このインフルエンサー(笑)の連中は意味なし」と伝えた。「こうした連中を束ねるPR会社的なヤツをお前が雇うかどうかはお前次第。私がこうした連中と仕事をすることになったらソッコー切りますよ」と伝えておいた。いい加減学べ、企業のバカども https://t.co/Lz4QNIEkoa
— 中川淳一郎 (@unkotaberuno) 2019年2月11日
従来のマス広告(紙面広告、看板広告等)やアドテク広告、リスティング広告の効果が従来より期待できなくなった昨今、広告代理店がいち早く目を付けたのが、インフルエンサーと呼ばれる、一般市場に影響力のある人に広告代理をしてもらうことだった。
彼らは主にInstagramのようなSNSを活用して、インフルエンサーの世界観をユーザーに訴え、そのユーザーを魅了して売りたい商品を紹介するのがインフルエンサーマーケティングだ。
ところが、その効果が過大評価され、お金を払う側の期待値とかけ離れているのが現状なのだ。
インフルエンサーマーケティングは、認知度拡大が主な強みだ
この記事でも解説している通り、インフルエンサーマーケティングは、認知度の拡大が主な強みとなる。
認知度というのは、経営上重要ながらも最も効果測定が難しい値だ。例えば、InstagramやTwittterのいいね!の数は、その結果どのような影響を及ぼしたのか?を効果判定するのが非常に難しい。
フォロワー数も同様だ。InstagramやTwitterには、ハッシュタグ機能があり、ハッシュタグによってフォロワー以外にも拡散させることができる。
そのため、
という因果関係を証明することが難しいし、同じことを行えば売上が伸びるわけでもないのだ。
つまり、
ということになる。
問題点:費用対効果がわからないものに、どこまでコストをかけるべきか?
ここまで、認知度拡大のための施策が売上に直結するかの再現性がない、という話をした。
まとめると、
ということになる。
広告であれば、KPIやKGIを決めるのは容易だ。広告の目的は、顧客に購入させることなので、購入数や売上等具体的な数値に落とし込みやすい。
ところが、認知度は、先ほど解説したように具体的な数値化、定量化するのが難しい。
とはいえ、現代のマーケティングは、認知度拡大も併せて行わないと、広告の効果も乏しいし購入につながらないことが多いのは確かだ。
もし、インフルエンサーを利用したマーケティングを行うのであれば、
- インフルエンサーの費用は広告費の中に組み込み、費用対効果は広告とセットで考える
- インフルエンサーよりもオウンドメディアを活用する
など、ちょっとした工夫が必要になる。
対策:インフルエンサー側も、費用対効果をできる限り明確化する
一方、インフルエンサー側もそれなりの努力が必要だ。
特に、
努力が必要になる。
ただ、フォロワー数やフォロー数、いいね!の数だけでは、顧客の利益につながる指標にはならない。
私自身も経営者だが、そのような数値の増減を出されても、
という質問をせざるを得ない。
そう考えると、カスタマージャーニー(顧客導線)を絡めたKGI、KPIを考える必要がある。
例えば、インフルエンサーによる認知度拡大の施策を実施した結果、
- 取り上げた商品の購入数を、昨月の1.5倍にする。
- 取り上げた会社のホームページへのPVを、昨月の2倍にする。
といった形で、ゴールをより売り上げに直結する数値で定量化する。
そうすることで、経営者側も効果予測が行いやすくなり、その結果インフルエンサーへの投資もしやすくなるはずだ。