【経営者向け】良いコストカットと悪いコストカット
会社経営して、ある程度の規模になってくると、固定費をはじめとした経費の肥大化と直面することが多い。
今回は、その中でもITに関する経費(コスト)を、どうコストカットすべきか?についてお伝えする。
コストカットする上での大前提
コストカットする上において、大きな大前提となるのが以下のポイントだ。
- 利益につながらないIT投資や固定費は出来るだけ排除する
- 効果が可視化できない投資は出来るだけ避ける
良いコストカット
では、よいコストカットはどのようなケースなのか?
- 売上につながらない広告やインフルエンサーとの契約解除
- 業務効率や利益を上げられないクラウドサービスの解約
- 過度なパフォーマンス向上のための投資
売上につながらない広告やインフルエンサーとの契約解除
売上につながらない広告やインフルエンサーとの契約は、正直無駄でしかない。
今は、MA(マーケティングオートメーション)ツールや、GA等のアクセス分析ツールが充実しているので、どのようなチャネルからアクセスし、自社商品の購買につながったのか?の導線を定量分析できる。
そういったツールを活用すれば、広告コストの最適化を図ることは可能だ。
業務効率や利益を上げられないクラウドサービスの解約
次に、業務効率を上げられないクラウドサービスは出来るだけ解約してしまうことだ。
意外と忘れがちなのが、画像加工や取得用のクラウドサービスだ。Shutterstockは優秀な画像提供サービスだが、日々の業務効率や利益につながらないのであれば、無料のO-DANを利用するなど出来るだけコストカットを図るべきだ。
過度なパフォーマンス向上のための投資
最後に、過度なパフォーマンス向上のための投資だが、これもまた上記MAやアクセス分析ツールによって、パフォーマンス改善が購買にどのような影響があったのか?を可視化することで、ある程度定量分析することができる。
たいていのWebサイトは、2秒以内のレスポンスがあれば大きく離脱率が上がることはない。
参考:ページ読み込みは「2秒以内」に – 3秒待てないモバイルユーザー、画像圧縮で表示速度改善を
過度にパフォーマンス向上のためリソースを投下しなくてもそこそこ集客できているのであれば、余剰なコストは削ってしまうべきだ。
悪いコストカット
では、悪いコストカットは何か?
- コンテンツメディア作成に必要な最低限のコスト(企画、執筆、取材等)
- セキュリティ対策に必要なコスト(OSのアップデート、ウィルススキャンソフト導入等)
コンテンツメディア作成に必要な最低限のコストの削減
なぜ?コンテンツメディアへのコストをカットするのがだめなのか?といえば、ストック(積み上げ)型の情報資産を失ってしまう可能性があるからだ。
特に、ブログをはじめとするオウンドメディアは、作成にほとんどコストがかからない。それだけではなく、ストック型の情報資産と言われ数多くの有益な記事を発信すればするほど、自社製品の認知度向上とブランディングに寄与することができる。
たまに、この資産形成のための投資とコストを混同してしまう経営者がいる。
コンテンツメディア作成を途中でやめてしまうと、ブログを見に来ていた見込み客離れを起こす可能性が高いので、コスト以上の損失が発生する可能性が高い。
セキュリティ対策に必要なコストの削減
次に、なぜセキュリティ対策コストが重要なのか?というと、万一セキュリティインシデントが発生した場合、その対策にコスト以上の負担が会社経営にのしかかってくるからだ。
例えば、自社サイトへの不正アクセスにより個人情報が漏洩した場合、
- 不正アクセス遮断と再発防止対策の検討と実施
- 情報漏洩による損害賠償
といった、当初想定していないコストが大きくのしかかることになる。
従って、セキュリティ対策にはできるだけコストを払うべきだ。
トレンドに惑わされずに、自社の顧客属性に沿った最適なコストカットを!
最後に、最近のトレンドに惑わされず、常に自社の顧客属性に沿って、
を定期的に吟味しながら、最適なコストカットをするべきだ。
特に効果のない固定費ほどばかばかしいものはないが、
場合によっては数か月後に大きな効果が出る可能性もある。
従って、どの程度までコストをかけ、いつまでに効果がなければコストカットするのか?といったコストガイドラインも、しっかりと決めておいたほうが良いだろう。